キリスト教の成立と発展(世界史)

世界史

キリスト教はユダヤ教から生まれた宗教で、1世紀、ローマ支配下のパレスチナから始まった。

キリスト教成立までの背景(世界史)

●ユダヤ教

パレスチナの地において、ヘブライ人が独自の一神教を守り、バビロン捕囚ののち、前6世紀に律法主義的なユダヤ教が確立。

ユダヤ教は、ヤハウェを唯一神として、戒律主義や選民思想などを特徴とする宗教であり、ユダヤ人しか救われないという民族宗教でもあった。

パレスチナ(ユダヤ)はポンペイウスに征服されてローマの属州にされるも、

当時のユダヤ王ヘロデ(位前37~前4)がローマに協力する条件で統治を許された。

ユダヤ教を指導していた祭司もローマの支配に協力するし、パリサイ派とよばれる律法学者たちは「神が我々に試練を与えている!」として、ローマに抵抗しながらも神の律法を厳格に守ることを重んじた。

しかし、いずれも重税に苦しむパレスチナの民衆を助けようとはしなかった。

しだいに、民衆は救済を期待するようになる。

キリスト教の成立

救世主(メシア、ギリシャ語でキリスト)。

ナザレに生まれたイエス(前7頃/前4頃~後30頃)はユダヤ人であったが、

ユダヤ教の戒律主義(パリサイ派など)や選民思想を「神への信仰ではなく堕落だ」と批判するようになる。

神の絶対愛(神の愛は身分や貧富の差に関係なくすべての人におよぶ)や

隣人愛(神を信じて自分と同じように隣人を愛し、敵のためにも祈るべき)を説く。

→ユダヤ教祭司たちがローマ総督ピラト【ピラトゥス】へ告訴し十字架上で処刑(30頃)

弟子たち(使徒)により「イエスの復活」信仰が広まり、キリスト教が成立した。

キリスト教の発展

●使徒による伝道

使徒ペテロとパウロ

ペテロはユダヤ人への伝道を行った。パウロはユダヤ人以外の人々(異邦人)への伝道を行った(異邦人の使徒と呼ばれる)→各地に教会ができる。

二人はネロ帝のキリスト教迫害で殉教したといわれる。

●『新約聖書』の成立

礼拝では初めイエスの言葉や使徒の手紙などの内容を話していたが、2世紀頃には『新約聖書』にまとめられた。コイネー(共通ギリシア語)で書かれる。

●『旧約聖書』

キリスト教はユダヤ教から生まれたので、もともとユダヤ教の聖典だった『旧約聖書』もキリスト教の聖典である。 「新約」に対する「古い契約」の意味。ヘブライ語で書かれる。

のちに新約聖書も旧約聖書もヒエロニムスによってラテン語訳が完成された。

迫害

  • ネロ帝(64)
  • ディオクレティアヌス帝(303)

迫害を受けてもキリスト教徒はカタコンベ(地下墓所)で信仰を維持した。

公認と国教化

公認

コンスタンティヌス帝がミラノ勅令(313)で公認。

ローマ帝国がキリスト教化していくなかで、

正しいキリスト教の教義とは何かということが熱心に追及された。そのためしばしば皇帝の名においてすべての司教を招いて公会議が開かれることになる。

木村、岸本、小松(2019)p.63

ニケーア公会議(325)でアタナシウス派を正統、アリウス派が異端となった。

アタナシウス派・・・キリストと神は同質であり全く等しい

アリウス派・・・キリストと神は異質であり、キリストは神によってつくられた人間である

アタナシウス派は三位一体説として確立、アリウス派はゲルマン世界へ。

三位一体・・・父なる神、子なるキリスト、聖霊は3つでありながらしかも同一である

国教化

テオドシウス帝、キリスト教強制(380)、他宗教厳禁(392)=国教化の完成。

正統と異端

●エフェソス公会議(431)

→ネストリウス派を異端とした

ネストリウス派・・・イエスの神の部分(神性)と人の部分(人性)を分離する

ネストリウス派はササン朝など東方に伝わり、唐代の中国までに伝わり景教と呼ばれた。

●カルケドン公会議(451)

三位一体説が確立し、単性論を異端とした。

単性論・・・イエスは完全に神と考える

単性論派はエジプトのコプト教会やシリア教会、アルメニア教会など帝国東部に広まる。

参考文献

学参

  • 『詳説世界史研究』木村靖二、岸本美緒、小松久男編(2019)山川出版社
  • 『第2版 ポイントマスター 世界史Bの焦点』津野田興一編(2015)、山川出版社
  • 鵜飼恵太『大学入試 ストーリーで分かる世界史B〔古代・中世・近世〕』(2017)KADOKAWA

 

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